Javaで日付や時間を扱う機会は非常に多いですが、誤ったAPIを使ってバグや非効率なコードに悩まされた経験はありませんか？
この記事では、Java 8で導入された java.time パッケージの重要性と使い方を、現役エンジニアの視点から解説します。
もう古い Date や Calendar には戻れなくなるかもしれません。
目次
なぜ日時操作は難しいのか？
日時操作は、プログラミングの中でも意外とトラブルが多い領域です。
- 月の境界やうるう年、タイムゾーンの扱い
- 日付の加算・減算による意図しない挙動
- スレッドセーフでないAPIによるバグ
従来の java.util.Date や Calendar には多くの欠点があり、複雑なコードを要求されていました。
そこでJava 8以降、新しい日時APIとして java.time パッケージが導入されました。
java.time パッケージとは？
java.time は、Joda-Time から着想を得て設計された、モダンな日時APIです。Java 8以降で標準搭載され、以下のような特徴があります。
- 不変（immutable）かつスレッドセーフ
- 明確で直感的なクラス構成
- フォーマットや差分計算も簡単
代表的なクラス：
| クラス名 | 説明 |
|---|---|
LocalDate | 年月日（時間なし） |
LocalTime | 時刻（年月日なし） |
LocalDateTime | 年月日＋時刻 |
ZonedDateTime | タイムゾーン付き日時 |
Duration, Period | 時間や日数の差分 |
DateTimeFormatter | フォーマットやパース処理 |
なぜ java.time を使うべきか？
従来の Date や Calendar を使うと、以下のような課題がありました。
🔴 従来の問題点
Date date = new Date();
date.setMonth(12); // 実際は1月になる（0始まり）- 月が0始まりで直感に反する
- 可変オブジェクトでスレッドセーフでない
- APIが冗長で複雑
🟢 java.time のメリット
LocalDate date = LocalDate.of(2025, 1, 1); // 明快でバグが起きにくい
LocalDate nextWeek = date.plusWeeks(1); // 操作も直感的開発現場でも、java.time に切り替えたことでバグの発生が激減し、コードの可読性が向上したという声が多く聞かれます。
よく使うjava.timeのクラスと使い方
LocalDate：日付の操作
LocalDate today = LocalDate.now();
LocalDate tomorrow = today.plusDays(1);LocalDateTime：日時（日付＋時刻）
LocalDateTime now = LocalDateTime.now();
LocalDateTime meeting = now.plusHours(3);ZonedDateTime：タイムゾーンを考慮した日時
ZonedDateTime tokyoNow = ZonedDateTime.now(ZoneId.of("Asia/Tokyo"));Duration / Period：差分の計算
Period period = Period.between(LocalDate.of(2024,1,1), LocalDate.of(2025,1,1));
Duration duration = Duration.between(LocalTime.of(9, 0), LocalTime.of(17, 0));DateTimeFormatter：フォーマット・パース
DateTimeFormatter formatter = DateTimeFormatter.ofPattern("yyyy/MM/dd");
String formatted = LocalDate.now().format(formatter);
LocalDate parsed = LocalDate.parse("2025/05/21", formatter);Date, Calendar からの移行方法
既存のコードが Date や Calendar を使っている場合も、java.time との互換は比較的簡単です。
Date → Instant → LocalDateTime の変換
Date oldDate = new Date();
Instant instant = oldDate.toInstant();
LocalDateTime dateTime = LocalDateTime.ofInstant(instant, ZoneId.systemDefault());LocalDateTime → Date の変換
LocalDateTime newDate = LocalDateTime.now();
Date converted = Date.from(newDate.atZone(ZoneId.systemDefault()).toInstant());まとめ：今後のJava開発ではjava.timeが常識
- Javaの日時操作は 必ず
java.timeを使うべき - コードの安全性と可読性が大きく向上
- 古い
Date,Calendarはメンテナンス性に劣る
現場での経験から言えば、チーム内で java.time を統一して使うだけで、バグや混乱が大幅に減ると断言できます。
